フッ化物配合歯磨剤について
投稿日:2018年2月28日
カテゴリ:院長ブログ
日本の歯磨き習慣の定着率は95%を上回り、他の先進国と比較しても決して見劣りしませんが、虫歯予防の観点からすると、欧米諸国の12歳児のDMFT指数(集団における虫歯経験者の数)で比較してもいまだに高い値です。
この要因としては、フッ化物配合歯磨剤の普及の遅れが挙げられますが、もう一つ、フッ化物配合歯磨剤の効果的な使い方の指導が無かったことも否定できません。
フッ化物配合歯磨剤は、虫歯リスクの高低に関係なく、自分の歯を持つあらゆる年齢の人々に利用されるべきホームケア(セルフケア)用品です。
ところが、利用方法は個々人で異なり、それによって有効性と安全性への影響が変化することになります。
今回、フッ化物配合歯磨剤の有効性と安全性を高めることを目的に、科学的な観点から推奨される使用法を学んできたので提示します。
「推奨される効果的な使用法」
フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防メカニズムは、歯磨き終了後に歯面・歯垢・粘膜および唾液などの口腔環境に保持されたフッ化物イオンによる再石灰化と酸産生抑制効果であると言われています。
しかしながら、その応用効果は使用するフッ化物の応用量、作用時間、洗口回数並びに方法などによって大きく左右されることが予測されます。
推奨される効果的なフッ化物配合歯磨剤の使用法をまとめてみます。
①歯ブラシに年齢に応じた量の歯磨剤をつける
②磨く前に歯磨剤を歯面全体に広げる
③2~3分間歯磨剤による泡立ちを保つような歯磨きをする
④歯磨剤を吐き出す
⑤一口分の水を口に含む
⑥5秒間程度ブクブクうがいをする
⑦洗口は1回のみとして、吐き出した後はうがいをしない
⑧歯磨き後1~2時間は飲食を避ける
さらに、フッ化物配合歯磨剤を用いたブラッシング回数は1日2~3回と頻度が高いことが望ましいとの事です。
年齢別、使用量とフッ素濃度について
年齢 使用量 フッ素濃度
6か月~2歳 切った爪程度の少量 500ppm
3~5歳 5mm程度 500ppm
6~14歳 1cm程度 1000ppm
15歳以上 2cm程度 1000~1500ppm
これらを踏まえたうえで、今一度ご自宅でのブラッシングの際に参考にしてみてください。
マミー歯科クリニック 副院長 萩原広明
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